No.2『みんなちがって、みんないい!?』
2025
1/17
前回のコラムでも話題に上っていましたね、ベートーヴェンの【交響曲第九番 ニ短調 作品125】、通称【第九】。
1824年に完成し、昨年2024年にちょうど初演から200年を迎えたこの曲。
今や時を越え海を越え人種を越え、こんな小さな島国での年末コンサートの代名詞となるほど色々なホールで歌われるようになりました。
長年合唱の世界に身を置かせてもらっていますが、毎年必ず歌う歌!って、この曲以外他にあるかなぁと…佐藤眞作曲の【大地讃頌】くらいかなぁ…。
当たり前ですがこの【第九】、毎年演奏するオーケストラも違えばご一緒する合唱団体も異なります。それは舞台上の魔法使い、指揮者(マエストロ)も然り。
第一、第二楽章は主にベートーヴェンのこの曲への心の苦悩を描かれてると言われています。
「こんな音楽、世界観ではない!」的な感じ。
だからおんなじメロディが幾度となくループし、それはそれは気持ち良い夢の世界…いやいや!ご一緒させていただいた某指揮者、本当にこの魅惑の二楽章の構成が楽しくてしょうがなかったんです!
(※睡魔がきたから良し悪しという話でもありませんので、悪しからず!)
音楽によって気持ちを自在に操られてしまっている様な感覚、そんな空間でした。
かと思えば違う某指揮者の第三楽章《平穏・平和》をテーマにした部分では、また違う心地いい音、はっきりとした説得力…。
指揮者の曲への想いの違いはそれぞれあれど、そこにはまた個々の考え抜かれた旨味があるんだなぁと体感した本番の数々でした。
だから俗にいう第九マニアって毎年色んな第九の公演に乗られるんでしょうね…みんなちがってみんないいベートーヴェンの第九、皆さんも今度チラッと歌ってみませんか!?
【余談コラム】
我々の仲間には今年マチネ(昼公演)とソワレ(夜公演)の第九2公演に出演!という強者もいました、両公演とも第一楽章入り…第四楽章の合唱が出る歌い出しまで、約1時間舞台に座りっぱなしという…。しかも何より難儀なのは、指揮者がそれぞれ違うので曲へのアプローチもそれぞれ歌い分けなければならないという事。
(※簡単に言えば、Gott 神という単語の語尾をその小節内で切るか、次の小節の頭切りにするかなど)
みんなちがってみんないいけど…歌い切った皆さまを心から尊敬します!!(としか言えない…汗)
Written by S.I
No.1『今、聴きたい歌。そして転調の魅力』
2025
1/3
明けましておめでとうございます。
2025年も東京合唱協会をどうぞよろしくお願い申し上げます。
新年より、こちらの公式ホームページにて団員によるコラムを掲載することになりました。
コラムと言っても何気ないつぶやきのような記事で、月に2本ずつを目標に。
その回によって執筆担当者が違いますので、個性の垣間見える記事になると思います。
良かったらおつきあい下さいませ。
さて…遡ること年末、街の至る所で流れるベートーヴェンの『第九』を耳にし、条件反射的に「もう年の瀬!」とソワソワしてしまう方も多かったのではないでしょうか?
特に第4楽章の合唱の盛り上がりは、聴いてるだけでも「今年一年お疲れ様!」という “やりきった感” を味わえます。
まさに年末に相応しい一曲。
この時期にはこの歌でしょ!と確立されている『第九』は、やはり素晴らしい作品ですね。
そして年が明け、2025年。
皆さんは、新年だからこそ聴きたい歌、合唱曲はありますか?
新しい一年に向けて心機一転の気持ちで踏み出したかったり、受験シーズンでもあるので、応援ソングが似合う時期かもしれません。
J-POPなら、YOASOBIの『群青』、嵐の『サクラ咲ケ』、緑黄色社会の『Mela!』、アンジェラ・アキの『手紙~拝啓、十五の君へ~』などなど…。
あ!これはあくまで私の個人的な好みです。
どの歌も不安な心に寄り添ってくれるだけでなく、軽快なテンポで爽快感もあり、気持ちを盛り上げてくれます。
もちろん!いずれも合唱バージョンに編曲されています♪
純粋な合唱曲での応援ソングだと、私のオススメは、谷川俊太郎作詩・高嶋みどり作曲『未来』。
1991年 全日本合唱コンクールの課題曲にもなりました。
希望あふれる未来を想像し、自分自身が壮大な歴史の一部分だとうたう、清々しさに満ちた歌です。
音楽的な面では「転調(曲中で全く違う調性に変更すること)」が、この曲の大きな魅力のひとつでしょう。
次々と転調を重ね進んで行くメロディは、そのたびに新しい景色を映し出していくようで、人生の転換期や人間としての成長過程をも想像でき、自然と前向きな気持ちにさせられるのです。
「転調」の効果って、すごい!!
学生さんも、大人の皆さんも、たくさんの歌に元気と癒やしをもらいつつ、2025年を有意義に過ごして下さい!
Written by N.K